地震の際、家は無傷でも家具の下敷きになったり、
閉じ込められたりすることがあります。
そのような危険を避けるために、家具を固定されている方は多いと思います。
ですが、家具の固定だけでは万全の対策といえません。
大地震の場合、揺れがおさまったら、
火災や津波の恐れのない避難場所へ逃げる必要があります。
スムーズな行動のためには、室内の避難経路確保が要です。
普段から屋外への避難経路を確認し、
経路上をすっきり片付けて物を置かないようにしましょう。
災害で慌てたり、停電で暗闇になったりすると
小さな物でも踏んだりつまずいたりして(紙でも滑って転ぶことがあり)危険です。
廊下はもちろんのこと、階段や玄関にもできるだけ物を置かないようにします。
すっきり収納で、自宅の安全性を高めましょう。
ただし、避難用の非常持出品袋は、しまわずに持ち出しやすい場所に置いておきましょう。
大きな揺れで収納扉がゆがみ、取り出せなくなることもあります。
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参考までに、家具の固定について記載しておきます。
家具の転倒防止には、建物への固定が効果的です。
L字金具や転倒防止チェーンなどでしっかりと固定します。
積み重ねるタイプの家具は、棚の上下もしっかり連結して
上の棚が飛び落ちないようにしておくと安心です。
また、低い家具でも揺れに連動して激しく動く危険がありますので、
やはり固定をおすすめします。
家具を壁いっぱいに天井まで設置する場合、転倒はほぼありません。
ただし、天井が頑丈でない場合は床や壁に固定しておく方が安心です。
固定方法は、家具の高さや大きさ、設置場所の壁や天井の強度、
クロスやフローリングの状態によっても異なります。
状態によって複数組み合わせるなど、最適な方法を選んでください。
さらに、強い揺れで飛んでくる危険がある薄型テレビや絵などは、
耐震マット(ジェル)などで固定します。
就寝中は危険が増すので、寝室から移動させるなどの思い切った対策も必要です。
オープンタイプの棚は、収納物が落下する(飛び出す)危険性があるので
重い物や壊れやすい物を下段に、軽くてあたっても痛くない物を上段に収納します。
下段に重い物を置くと、棚の重心を下げ倒れにくくする効果も期待できます。
装飾品など落下しやすい物は、固定するか置かないのがベスト。
特にガラス製品や陶器は、割れて床に散乱すると避難を難しくします。
代替可能なものは、割れにくい素材に変えましょう。
扉のある棚や、引き出しも地震発生時には安全とはいえません。
物がたくさん詰っていると、重みで扉が開いたり中のものが飛び出しやすくなり危険です。
扉には開き防止器具(地震ラッチ)を取り付けておくと、安全性が高まります。
さらに、ガラス扉は飛散防止フィルムを貼ることで、
もしガラスが割れてしまっても破片が飛び散りにくくなります。
また、滑り止めシートを敷くと、滑った物の衝撃で扉が開くのを防ぐ効果があります。
繰り返しになりますが、避難経路の確保は自宅の安全性を高めます。
すっきり片付いた部屋は、それだけで災害への備えができているのです。
一度にすべての対策ができなくても、ご自身のペースで理想の環境に近づけてください。
環境を整えた後は、日々の片付け習慣で住まいを安全に保ちましょう。
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