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収納講座【6】 すっきり収納で地震に備えよう


地震の際、家は無傷でも家具の下敷きになったり、
閉じ込められたりすることがあります。
そのような危険を避けるために、家具を固定されている方は多いと思います。
ですが、家具の固定だけでは万全の対策といえません。
大地震の場合、揺れがおさまったら、
火災や津波の恐れのない避難場所へ逃げる必要があります。
スムーズな行動のためには、室内の避難経路確保が要です。

普段から屋外への避難経路を確認し、
経路上をすっきり片付けて物を置かないようにしましょう。
災害で慌てたり、停電で暗闇になったりすると
小さな物でも踏んだりつまずいたりして(紙でも滑って転ぶことがあり)危険です。
廊下はもちろんのこと、階段や玄関にもできるだけ物を置かないようにします。
すっきり収納で、自宅の安全性を高めましょう。

ただし、避難用の非常持出品袋は、しまわずに持ち出しやすい場所に置いておきましょう。
大きな揺れで収納扉がゆがみ、取り出せなくなることもあります。

参考までに、家具の固定について記載しておきます。

家具の転倒防止には、建物への固定が効果的です。
L字金具や転倒防止チェーンなどでしっかりと固定します。
積み重ねるタイプの家具は、棚の上下もしっかり連結して
上の棚が飛び落ちないようにしておくと安心です。
また、低い家具でも揺れに連動して激しく動く危険がありますので、
やはり固定をおすすめします。

家具を壁いっぱいに天井まで設置する場合、転倒はほぼありません。
ただし、天井が頑丈でない場合は床や壁に固定しておく方が安心です。

固定方法は、家具の高さや大きさ、設置場所の壁や天井の強度、
クロスやフローリングの状態によっても異なります。
状態によって複数組み合わせるなど、最適な方法を選んでください。

さらに、強い揺れで飛んでくる危険がある薄型テレビや絵などは、
耐震マット(ジェル)などで固定します。
就寝中は危険が増すので、寝室から移動させるなどの思い切った対策も必要です。

オープンタイプの棚は、収納物が落下する(飛び出す)危険性があるので
重い物や壊れやすい物を下段に、軽くてあたっても痛くない物を上段に収納します。
下段に重い物を置くと、棚の重心を下げ倒れにくくする効果も期待できます。
装飾品など落下しやすい物は、固定するか置かないのがベスト。
特にガラス製品や陶器は、割れて床に散乱すると避難を難しくします。
代替可能なものは、割れにくい素材に変えましょう。

扉のある棚や、引き出しも地震発生時には安全とはいえません。
物がたくさん詰っていると、重みで扉が開いたり中のものが飛び出しやすくなり危険です。
扉には開き防止器具(地震ラッチ)を取り付けておくと、安全性が高まります。
さらに、ガラス扉は飛散防止フィルムを貼ることで、
もしガラスが割れてしまっても破片が飛び散りにくくなります。
また、滑り止めシートを敷くと、滑った物の衝撃で扉が開くのを防ぐ効果があります。


繰り返しになりますが、避難経路の確保は自宅の安全性を高めます。
すっきり片付いた部屋は、それだけで災害への備えができているのです。
一度にすべての対策ができなくても、ご自身のペースで理想の環境に近づけてください。
環境を整えた後は、日々の片付け習慣で住まいを安全に保ちましょう。

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